謎の白い球体
投稿者:タニムラナギ (2)
それは数年前のこと。
祖父母の家から自宅へ戻るため、母と2人で高速道路を車で走っている時のことです。
その日は、平日の夜21時以降ということもあり、交通量は多くなく、私たちが乗っている車の前後に他の車はおらず、
対向車線の車ともごく稀にすれ違うといった状況でした。
高速道路は山の中を走っており、街頭も多くなく、辺りは真っ暗です。
とあるトンネルを抜けた際、「コンッ」という音が車の天井から聞こえました。
「飛び石でも当たったのかな?」と母と話し、その時は特に何も気にしてはいませんでした。
それから数km走り、今度は高架橋に差し掛かりました。
その高架橋は山の中、かなり高い場所に立っており、日中天気が良ければとても見晴らしの良いところです。
まさに山と山をつなぐ一本の橋!といった具合で、周りには何もありません。
高架橋の真ん中に差し掛かった時、また「コンッ」と車の天井に何かが当たる音がしました。
「また飛び石?飛び石多くない?」と母と笑って話した直後、「ポンッ」とフロントガラスに白くて丸い物が当たりました。
それは、バレーボールくらいの大きさの白い球体。
その球体は、運転席側から助手席側にフロントガラスを横断する形で、ゆっくりバウンドし、やがて高架橋の外に落ちていきました。
見晴らしの良い場所で、何も上から物が降ってくるような状況ではないこと、
別の車がおらず、別の車が跳ねた物が当たるといった状況でもないことから、フロントガラスに当たった丸い球体が一体何だったのか、今でもわかりません。
トンネルを抜けた時から存在を主張するかのように数回車に当たっていたとすれば、意思を持った物のようにも思えます。
あれから何度も同じ道を通りますが、不思議な体験をしたのはその一度だけ。
通る度にあれは何だったのだろう?と未だに疑問に思います。
神様が通る前に、露払いとして小石が飛んでくるそうですよ。
で、その小石にあたると魂を持っていかれて即死するそうです。
クルマだったから助かったんでしょうか。
露払い役がヤケになってボールぶつけてきたけど無機質のクルマに跳ね返されたと思うと少し笑えます。