姉妹
投稿者:ケーリナ (2)
およそ15年前、私は地元の小学校教師をしていました。
この話はそのときに体験した不思議な話です。
私が担当していたクラスに1人、変わった子がいました。その子は鈴木 ゆい(仮名)といいます。
その子は日によって態度というか性格が180度変わる子でした。
ある日は髪の毛を可愛らしいリボンで結び、フリルのついたスカートを履き、鉛筆や筆箱をピンク色で揃え、話すしぐさや笑い方がいかにも「女の子」という子でした。
しかし、またある日は寝起きのままくしを通してないであろうぼさぼさな髪とおしゃれを全くといっていいほど気にしていないような服を着て、男勝りな話し方でした。
一番気になったのはその男勝りな時だけ自分のことを「ゆか」と言うことです。
小学生のしていることなのであまり深く考えていませんでした。
ある日家庭訪問で鈴木さんのご自宅に訪問する機会があったため、母親に「ゆか」という名前を尋ねました。
そうすると母親はとても混乱し、震えた声で「どうして…どうして…その名前を…?ゆかは…ゆかはゆいの亡くなった姉です。ゆかはゆいとお風呂に入っていたときに溺れて…亡くなりました。」とゆっくり涙ながらに話してくださいました。
そして、「ゆいは罪悪感にのまれて自分の中にゆかの人格を作り上げてしまったのです…」と。
そのあと私は帰宅してから鈴木さんの母親の話を思い出し、恐怖のあまり膝から崩れ落ちました。
「罪悪感…?ゆかは溺れたのではなくゆいが溺れさせた…?」
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。