奇妙な人
投稿者:淮ゐ (1)
これは学生の頃に出会った奇妙な人の話です。
その日、母と私と弟2人で母の友達の家に遊びに行っていました。母の友達は山の上の方に住んでおり、隣の家まで歩いて10分というようなド田舎でした。
その日は結局、晩御飯までご馳走様になり、夜の22時過ぎに母の友達の家を出た頃には車通りも少なくなり、走っている車は私たちだけでした。
母の運転する軽自動車の助手席に私、後部座席に弟2人が乗り暫く山道を走っていると、数少ない街灯に照らされた人影が前方に見えました。
「こんな時間の山道に人…?」と母が呟き、私も弟たちもその声に釣られるように人影へと視線を向けました。
段々と近付くに連れ、その街灯に照らされた人影が不振な動きをしているように見え、目を凝らしました。
そして、驚愕しました。なぜなら、その人影は山道を走る私たちの車に向かって真っ直ぐ走って来ていたからです。それも、何故か〝裏拍手〟をしながら満面の笑みで、です。
それが見えた瞬間、視線は前方を真っ直ぐ見据えたまま母はハンドルを強く握り直し、車のスピードを上げました。「見ちゃダメだよ。」母にそう言われましたが、私も弟もその奇妙な動きをする人から目が離せませんでした。
結構なスピードで奇妙な人の横を通り抜けた母は、車通りの多い車道に出るとようやくスピードを落としました。
そのまま家に帰宅した私たちは、あの奇妙な人が追いかけて来ているような感じがして急いで家中のドアや窓を閉めて寝ました。
結局、あの奇妙な〝裏拍手〟をしながら笑顔で走る人がなんだったのか、生きた人なのか、もしくはそういう類のものだったのかは分かりません。
とにかく奇妙だった、そんな体験でした。
終わりが曖昧ですみません。
充分怖すぎ。んで成人後にお母さんにその時の出来事について聞きましたか?
何ならはね飛ばしてやれば良いですが幽霊でなく人間だったら厄介な事になりますもんね。