【夢枕】人生を建て直した話

20数年前の事になります。私が大学生だったころです。

その当時大学はほとんどサボっていて、行く気がありませんでした。自分が希望して合格した大学だったにも関わらず通って勉強する意味がわからなくなっていました。同時に就職している彼氏もできて、実家から家出して彼氏の家に転がり込んでいました。

彼氏も就職はしていましたが、勤務態度が悪く会社をさぼりがちでした。私も彼氏もギャンブルに遊びにだらしのない生活を送っていたと思います。

ある日、祖母がガンになりました。危篤になり実家から電話があったので彼氏の家から急遽実家に戻った時の事です。

夜寝ていると夢を見ました。そこにはいつも穏やかな顔をしている祖母がすごく厳しい顔をして立っていました。そして私に、

「私ちゃん？ちゃーんと生きていかにゃいかんよ？がんばらなんよ？」

と言いました。小さい頃から祖母に叱られたことなど一度もなかったのですが、その時の厳しい表情と口調に驚いて飛び起きてしまいました。

すると同時に電話が鳴りました。父からでした。

「おばあちゃんが亡くなったよ。」

とのことでした。

あまりにも偶然だったので、しばらく腰が抜けて呆然としていました。けれど祖母は将来を心配していたのでしょう。確かにこのまま行くと大学は退学になってしまいます。

「このままじゃいけない。」

と考えるようになりました。葬儀が終わった後、同棲していた彼氏と別れました。

そして大学に復帰しPCの勉強を始めました。2年留年して大学を卒業したのですがその後は新卒で企業に就職ができ、今は結婚して子どもも2人でき幸せな生活を送っています。

あの時祖母が夢枕に立っていなかったら、人生を建て直せなかったかもしれません。

祖母に感謝しています。