夜の工場で聞こえる泣き声
投稿者:コジコジabcz (1)
私と職場の上司が実際に体験した話です。
私はエンジニアとして化学工場に働いており、上司も私も仕事で遅くなることがありました。化学工場というのは夜はとても場内も薄暗く、気持ち悪いなということは常に感じていました。
それは私がその工場に配属になり、初めての夏に起きました。生産量がトラブルにより激減しており、本来夜勤は作業者のみで行いますが、私と上司も夜勤としてシフトが決まっていました。
夜勤での業務は初めてではなかったのですが、いつも夜中の2時過ぎになると空気が冷たくなり、時折寒気を感じます。しかしその日は日中が暖かかったため、むしろ暑いと感じていました。
深夜の休憩時間に、上司が突然「この工場はできる前何だったか知ってるかと聞いて来ました?」「知りませんよ」と答えると、「ここは軍事工場だったんだ」と言いました。しかも戦時中の空襲の被害にあい、沢山の人がなくなったとのことでした。
何でそんな話するんですか~と聞くと。上司は「聞こえないんか、お前」と言いました。何のことですか?と聞くと、すすり泣く声が聞こえるだろと言います。よく耳をすますと、風の音と思っていたのが、すすり泣くような声に変り、やがて助けて、助けてという声が聞こえます。私はあまりに怖くなり、上司に「私も聞こえます。どうしたら良いのか」と聞きました。
上司はもう諦めて、無視すれば良いとのことでした。しかし、その日から夜勤の日にその声が聞こえるため、私は食欲がなくなりすっかり痩せ細ってしまいました。このままでは体調が悪くなり死んでしまうと思い、配属異動届を出しました。
すると、意外とすんなり要望は通り、夜勤のない部署で勤務することになりました。配属前の最後の夜勤の日、いよいよ最後だなといつものように勤務していると、深夜休憩中に私にだけ「裏切りもの、殺す」という声が聞こえます。
あまりに怖くなり、その日は職場を飛び出して、帰ってきてしまいました。その後、新しい部署で働くようになり、体調は無事に回復し、元気に働いています。
今となっては、あんなに怖い思いをしたことが嘘のようですが、忘れられない怖い思い出となりました。
お祓いしても無駄なのでしょうか。