車中泊にて

22~23年くらい前の話。まだ独身。月イチでレジャー潜水を楽しみにしてた頃。

秋の半ば、仕事終わりに車を飛ばしてダイビングスポットへ向かいます。 お世話になるお店の手前の公衆トイレ前の広い駐車場の隅に車を停めました。

寝袋に潜り、日の出までしばし仮眠を 、、戸締まり確認し、疲れに任せてうとうとと 寝苦しい運転席、倒したシートでも慣れた車中泊、それなりに深く眠っていたけど、 突然、がっ！と誰かに両肩を掴まれて起こされました 。

ありえない。ありえない、 一人でドライブして施錠した車内 、、「何？」

混乱する静かな車内に、だんだん小さく遠ざかっていくような、女性の笑い声が聞こえました。

一度、空気を入れ換えようと 車を降りて外で深呼吸すると、となりの空き地の隅にくたびれた看板が有りました。

「情報提供者求む 　◯△年に　外国人女性の遺体が　鞄に詰められて発見されました」

えーーっ！でも、怒っては無かったみたい。歳上の女性にからかわれているような感じがしました。

今更移動する気もせず、また殺意のような恐怖も感じないので 、、トイレを済ませ、水筒のお茶を空き地にすこしお裾分けしてから、 「夜明けまでもう少し眠らせて下さいね」とお願いして 再び眠りました。