呪われた土地
投稿者:津々 (42)
ですが毎晩、僕はあのビルを脳内シミュレーションする様になっていました。
ほぼ毎回、1階に同じ人が居て2階に上がると年老いた老人が徘徊し時には首吊りをしている男性もいて3階には血だらけの女性が居たこともありました。
何故かその光景を見ても動じなくなり清掃のプランを立てている自分を俯瞰で眺めるようになっていました。
数か月間、僕は脳内であのビルのシミュレーションを行い最善の清掃プランを立てれるようになりました。
そんなある夜、僕はいつものようにあのビルを考えていました。
すると、1階でいつもはすれ違うだけの知らない人たちが僕を追いかけて来ている事に気が付きました。
僕は「なんだこれ?気持ち悪いな」と思いながら2階に上がるといつも首を吊る男性が「お前のせいだ。
お前のせいだ!」と僕を指さしながら叫ぶのです。
そして3階に上がると血だらけの女性が「ハヤク…て」と弱弱しい声で話しかけてきますが、聞き取れない感じでした。
そんな訳のわからない状態になり僕はパニック気味になり、またしてもベッドから飛び起きました。
その飛び起きる瞬間、男性の声で「許さないからな」と叫ばれ右腕を掴まれた感覚がありました。
僕はやはり汗だくになっていて動機も激しくなっていました。
そして、掴まれた感覚があった右腕には誰かに掴まれた痣がありました。
しかし、僕は昨晩のことを気にせず会社に出社すると上司に呼ばれました。
呼ばれた内容は、僕がシミュレーションをしたあのビルの清掃プランをビルのオーナーに営業部の人が売り込みに行ったそうです。
すると、見事に商談が成立したそうで来週から清掃に入るという話でした。
そして、このプランを考えた僕が責任者を任せてくれるという話でした。
僕はこの話が何故か物凄くイヤな予感がしていました。
理由はもちろん昨夜のシミュレーションで見た光景です。
しかし、責任者に抜擢されるという事はこの仕事がうまくいけば昇進できるので嬉しさもありました。
その日の夜、気が付くと夢の中であのビルの中に居ました。
そして、僕の周りには各階にいた人達がボーっと立っているのです。
僕はビックリして叫んでしまいました。
すると耳元で「ハヤクミツケテ」と3階の女性の声が聞こえて目が覚めました。
この事が原因で僕は不眠症になり脳内シミュレーションの事を医者に話すと、精神科にも通う羽目になり会社も退職しました。
その後、知った事ですが、僕がやっていた脳内シミュレーションは幽霊を見れる方法としいてTVなどで紹介されているのもの一緒でした。
また、あのビルから女性の白骨遺体と性別不明の白骨が数名分見つかったり、それを追及された前オーナーはあのビルの2階で首吊り自殺をしたそうです。
やはり、僕が脳内で見たモノは幽霊だったのでしょうか?
そのビルで過去に何が行われていたのか気になりますね
まさか自殺したビルのオーナーが絡んでいるのは間違いないですね。