実家が解体された日の夢

私と妹が生まれ育った実家は小さい一軒家でした。
私たちが家を出た後に、両親は別の土地に引っ越すことを決め、実家は取り壊されることになりました。

両親は、実家が壊されるところを見るのは辛いだろうと、私たちには解体する日を教えてくれませんでした。
私も妹も日中は働いているため、特にわざわざ見に行く予定はありませんでしたが、なんとなく気にはなっていました。

そんなある日の晩、夢を見ました。

私は実家の自分の部屋にいて、窓辺に肘をついて外の景色を見ていました。
そろそろ妹も来る時間だな、と思いながら。
その日、家が解体されるので手伝いに来ていたのです。

ふと「そうだ、あれを見つけなくちゃ」と思いつき、天井裏や壁の隙間、床下などをあちこち探し始めました。

そこに妹もやってきて、一緒に探したのですが、どうしても見つけることができず、仕方がないという事になりました。
何を探していたのかはわかりません。

その夢の話を妹にしたところ、妹は「私も同じ夢を見た！」と言うのです。
実家が解体される日に手伝いに向かったら、私が窓から外を見ているのが見えたと。
そして、家に着いてから一緒に探し物をしたけど見つからなかったと。

夢を見た日は、偶然にも同じ日でした。

後日、その夢を見た日は実家が解体された日だったことを知りました。
家が呼んだのでしょうか。
そして、探していたものは何だったのでしょうか。
今でもたまに思い出しては不思議に思っています。