不穏なお泊り会
投稿者:みかん (2)
短編
2022/08/26
02:52
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その出来事は、私が高校生の頃、お盆休みに友達の家に泊まりで遊びに行った時の出来事です。
「お邪魔しまーす!お菓子とジュース買ってきたよ!これでオールで遊び倒せるね」
「いらっしゃい。オールはいいけど、家族が寝てるから声は静かにね」
「はーい!」
友達の家はお墓の隣に建っている大きなデザイナーズの一軒家で、泊まるのは初めて。
私を含め友達四人で集まって、夜通しゲームで遊ぶ予定でした。
「ちょっとお手洗い借りまーす」
ゲームに熱中していたら、いつの間にか夜中の一時。
友達の一人がトイレに行き、しばらくして顔面蒼白の状態でリビングに戻ってきたのです。
「ねっ、ねぇ。今だれかトイレのドアをノックした?」
「え、誰も行ってないよ」
楽しかったお泊り会の雰囲気がガラリと変わりました。
聞けば、トイレに入ってる間に何回もノックされ、答えてもドアを開けようとしてきたのだどか。
「うちの家族の誰かかも…」
友達が別の可能性を考えましたが、お盆だったこともあり『幽霊の仕業だ』と思いました。
私たちは恐怖を誤魔化すようにゲームに意識を向けました。
その後、ガラス扉の向こう側に人影が見えたり、足音が聞こえたり。
不穏な気配を感じつつ、なんとか無事に朝を迎えてホッとしました。
そそくさと帰り支度をして、玄関を出ると直ぐ目に入ってくるお墓。
もう二度と、お墓の近くでは遊ばないと心に誓った出来事でした。
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