坊主頭の子供達
投稿者:みかん (2)
小学2年生の夏のことです。
私は両親と姉と一緒に祖父の家に遊びに来ていました。
祖父の家の隣には古い家があり、私はその頃、その古い家が誰のものなのかすら知りませんでした。
夕方になったころ、私はひとりで庭に出て砂遊びをしていました。
すると、古い家の方から、何か音がして男の子の笑い声が聞こえてきました。
祖父の家とその古い家の間には塀がなく、近くへ行けば家の中を覗けるようになっていました。
私は「少しなら覗いてもいいだろう」と、木の陰からこっそりと古い家の中を覗きました。
すると、浴衣のようなものを着ている二人の坊主頭の子供達がチャンバラごっこをしていました。
私はチャンバラごっこを初めて見たので、見惚れていたというか、結構長い間みていたような気がします。しかし、覗きこみすぎて、そのチャンバラごっこをしていた一人の男の子が私に気づいてしまい、私を指差しました。
私はもともと男の子が苦手でしたし、見つかってしまったことが怖くてすぐにそこから逃げ出しました。
そしてすぐに祖父の家に入り、そのことを母親に話しました。しかし、その時、母親は子供の私の話など聞いておらず、祖父との会話に夢中になっていたので、私もそれ以上は何も言いませんでした。
それから2、3年後、また祖父の家にいった時のことです。
両親と祖父が隣の古い家の話をしているのを耳にし、私は「そういえば、2、3年前にさ」という感じで、古い家で見た出来事を話しました。
すると、そこの古い家は、祖父が子供の頃に住んでいた家で、今は物置となり、誰も住んではいないとのこと。
そして、昔、祖父が祖父の兄とチャンバラごっこをよくしていたといいます。浴衣を着て坊主頭だったのも間違いないそうです。
でも私に指さしたのは祖父は覚えてないですし、兄がそうしたかも覚えてはいないといいます。
しかし、誰もいない家にチャンバラごっこをする少年たちが居たことは確かで、それが祖父たちであったことも間違ってはなさそうです。
私は世で言うタイムスリップをしてしまったのか、幻覚をみたのかは、今でもハッキリとわかりませんが、本当に不思議な体験でした。
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