ベッドの下にいるもの

友達の家に泊まりにいったときのこと。
友達はベッド、私はその横の床に布団を敷いて寝ていたのですが、夜中にとある物音で目が覚めました。
ゴソゴソという何かが蠢いているような物音は、友人のベッドの下あたりから聞こえてきます。
友人は猫を1匹飼っていたので、その子がベッドの下に潜り込んで遊んでいるのかなと思っていました。

あまり気にせず、もう一度寝ようとしたのですが、物音は一向に止みません。
そのうち、ゴリッガリッバキッという、何か固いものを噛み砕くような音にかわりました。
どうしても気になって、私はそっとスマホのライトでベッドの下を照らしたのです。

そこにいたのは、猫ではありませんでした。

頭が人間、体が小さいサルのような、不可思議な生き物だったのです。
その生物の口からは、人の腕のようなものが出ていて、口の周りは血だらけになっていました。

「うわぁ！」
思わず叫んだところ、友人が「何！どうしたの！？」と飛び起きてきました。
しどろもどろになりながら見たままを伝えると、友人は半信半疑の顔でベッドの下を覗きこんだのです。
「何もいないけど…。えっ、何これ、血？」
友人が見たときには、そこには何もおらず、ただただ血だまりだけが広がっていました。

あれからしばらく経ちますが、未だにあの生物が何だったのか見当もつきません。