ポンコツ霊感女の1泊旅行
投稿者:おおばやし (6)
うっすら感じる霊感ほど、役に立たないものはない。
強い霊感なら、いっそいい。危険な場所に初めから近づかなければいいのだ。
しかし、私のようなポンコツ霊感だと、「その場」にいって初めて「ここ、ヤバいとこだ!」と気づく。
先日もこんなことがあった。
友人と旅行に行ったときの話だ。大体の観光地のホテルは、(私の場合だが)ほぼ、問題ない。イヤな思念があまり残ってないから、たとえ、部屋はショボくても空気はカラッとしている。
しかし、そこは違った。「ちょっと、マズイな…」と部屋に入った瞬間に感じた。空気に砂が混ざっているような違和感。そして、同行している友人は気づかない、かすかな生臭さ。
風呂に入っても気配がある。
私のポンコツ霊感を知っている母は、特製の粗塩を、月に一回、小瓶に準備してくれている。それを一つまみまいて、場を清める。コツは、ただの作業として、行うこと。深く考えると、対話をしてしまう。
そして、お守り塩を枕の下に敷いて寝た。夜半すぎ、ゆさゆさ、ゆさゆさ、と、ひどく身体が揺さぶられた。
「えらく激しい金縛りやな」と、目を覚ますと、友人が泣きそうになりながら「こわいよー、こわいよー。」と私を揺さぶっていたのだ。
「足もとに、キレイな姉ちゃんが立っている夢を見た。目を覚まして、また寝ても同じ夢を見る。ずっと、姉ちゃんがいるよぅ。」
ごめん、そうだよね。私も、そちらのベットにイヤな気配を感じていたんだ。だから、私、こちらのベットにしたんだ。まじゴメン。
「じゃ、私のベットで一緒に寝よう!あと、そのお姉ちゃんに、夢の中で何か話しかけられても、ムシするんだよ。」
幸い、母特製のお守り塩で、その後は何事もなく、無事、朝を迎えた。
友人には「疲れすぎて、イヤな夢を見たんだよ」と言って安心させておいた。
でも、私が部屋のドアを閉めるとき、ヒンヤリした空気が、軽く私の手をかすめた。
気づいてほしかったのだろうな、でも、それはできない相談だ。
友人の扱いが何気に酷い
コントみたいに面白かった。
お母様さすがです。
作者さまユーモアのセンスありますね。
次回作、楽しみです。
何度読んでも笑える。
最高!
お笑いのネタも書けそう。