黒い糸と女の人の顔
投稿者:dia (6)
短編
2022/07/15
03:29
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これは私が子供の頃に2度体験した話。
当時の家は三階建ての一軒家。
透明な窓が玄関口からL字にある1階。
その1階で遊んでいた時の事。ふと玄関の方を見る。
特に何もない、車の音がしたわけでもないのに何かがいる気がした。
そのままジッと見ていると何やら黒い糸みたいなものが窓の向こうに見える。
それが、異常に不気味で、子供の目でもはっきりと捉えるには大き過ぎる黒い糸。
迫ってきていた。しかも速い。気づいた時には目の前で、知らない女の人の顔が微笑んでいた。
ここで意識が一度途切れ、起きた時には3階の居間で横になっていた。
何が起こったかも理解できないまま数日が経ち、また1階で遊んでいた。
やはり同じ悪寒のようなもので、玄関の方を見る。
今度は遠くから迫ってくるモノは見えない。
ジッと見ていると上の窓の淵が黒くなっている。
それは徐々に横に伸び、一列を綺麗に黒くするかのように。
そして黒いモノが窓の3分2くらいまで行ったところで止まり、こちらを向き、今度は歯を見せる様ににっこりと笑う。
気づいてくれたことが嬉しいように、満面の笑みで、こちらを見ている。
怖くなり、意識が途切れた。
また目を覚ました時には3階の居間。
以降、1階で1人で遊ぶことはありませんでした。
あれは夢だったのか、今でも鮮明に覚えているため、ふと考えてしまうことがあります。
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