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minaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

真夜中の電話
短編 2022/06/10 00:19 862view

昔の電話はプッシュフォンで、電話をかけると数字に応じてプッシュ音がしたものでした。

私が高校生の頃はプッシュフォンを使用していました。

リビングに親機があり、私の部屋に子機がありました。

親機で電話をかけるとプッシュ音が子機からも聞こえました。

ですから、リビングで誰かが電話をかけると、私も自分の部屋にいてプッシュ音で知ることができたのです。

私が受験生になってからは、夜遅くまで起きて勉強をするようになりました。

そんなある日、時間は深夜2時を回った頃でした。

プッシュ音が聞こえてきたのです。

両親が誰かに電話をかけていた可能性はあるものの、深夜2時にあえて電話をするなど、非常識にもほどがあります。

しかも、緊急で誰かに電話をしなければならないのであれば、家族の私に声をかけないはずはありません。

かといって、110番や119番など、家族の私にも声をかける余裕がないほど緊急の番号にかけているとは思えないくらいに、プッシュ音は長く続いていました。

どうしたのかと思い、リビングに様子を見に行きましたが、誰も電話はしていませんでした。

翌朝、家族に確認してみても、夜中に電話をかけた人はいませんでした。

誰がどこに電話をしていたのかは今もわかりません。

真夜中にプッシュ音が聞こえたのはそのとき1度きりでした。

その頃に親族に不幸があったわけでも、親族の命日が近いわけでもありませんでした。

お盆やお彼岸の時期でもありませんでした。

詳細不明のプッシュ音が聞こえた深夜の電話。

特別に不幸はなかったのが幸いですが、今でも忘れられない恐怖の思い出です。

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