畳から生えた白いなにか
投稿者:冬の終わり (5)
短編
2022/05/18
17:16
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知人から聞いた話です。林間学校ってありましたよね、その時のことだと言っていました。
夜、六人か八人くらいで布団を並べて、消灯時間過ぎても多少はお喋りしていたけど、段々日中の疲れが出てうつらうつらし始めて。
寝入りばなだったのか、それなりに寝ていたのかはっきりしないけれど、とにかくふと目が覚めたら、布団傍の畳の目の間から、白くて細長い何かがいくつか伸びて、ウネウネしていたそうです。
古い宿泊施設ですし虫かと思ったけれど、見ているとウネウネしているだけで出てくるようでもない。太さは爪楊枝くらいで、目から出ていたのは2,3センチと言っていました。茸か何かかな…とぼんやり眺めていると、うち一本が突然、大きくうねりだしたそうです。
あまりに動きが違うもので何事かと思ったら、その一本の先が二つに割れて、そのままゆっくり裂けていったそうです。
一本ずつ順番に、嫌がるようにうねって、裂けて。全部終わってからようやく恐ろしくなって無理やり眠ったと言っていました。
翌朝見ても、畳には何もなかったそうです。真っ暗な部屋の中でぼんやり光る風に見えるくらい白かったウネウネの赤黒い裂け目は、今も忘れられないと言っていました。
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