ある田舎の借家での出来事
投稿者:ふわり (5)
短編
2022/05/19
08:25
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父の転勤で、田舎に引っ越しました。
その家は半年くらい住んでいたのですが、借家の二階建て。
二階の一室が、当時学生だった私の部屋でした。
引っ越してから数か月経ったある夏の夜、その部屋で初めて金縛りに遭いました。
金縛りはその前の家でも何度も遭った事があるので、それほど気にならずにやり過ごしていました。
ただ、その頻度が多くなり、あるタイミングから耳鳴りの様な物も併発するようになってきました。
最初は気のせいだろうと思うようにしていましたが、日に日に耳が痛くなる程うるさくなっていき、真夜中なのにどうしてこんなにうるさい音がするのか?家族や近隣の人はこの事について騒いでいないのか?不思議に思っていました。
そんな事が続いたある夜、金縛り・耳鳴り・騒音に続いて裏山の方で大量に何かが羽ばたく様な音も聞こえてるようになっていました。
今までは目を閉じたまま、その一連の出来事が収まるのをじっと待って、また眠りについていたのですが、その日は勇気を出して電気を付け周囲を確認しようと思い立ちました。
布団から立ち上がり天井から下がる電気の紐を下に引いた瞬間に倒れてしまい、そんな自分を眺めている私は幽体離脱していたようでした。
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