少しだけ物わかりの良い女性の霊
投稿者:舞姫 (16)
20代のまだ若い頃は、活発というわけではありませんが、今より気負いなく泊りがけの出張に出かけていました。
ある時、それほど古くもなくかといって新しくもない、標準的な駅の繁華街近くのビジネスホテルに宿泊した際、夜中にまさかの金縛りにかかってしまいました。
自分はあまりこのような経験は少ないのですが、この時は頭上というか、頭の中にかすかに響くような感じで女性の声が聞こえてきました。
この恨みィ~…。
か細く恨めし気で自分に向けて怒っているような声色でした。
20代半ばの自分から見て、姿は分かりませんでしたが、年上のフェミニンなスラッとした感じの女性、髪は長めでゆるいウェーブ前髪はあまりなく、色白…。
自分の友人関係、仕事関係ではほとんどいないタイプの女性っぽい雰囲気でした。
若い女性が沢山いる企業のOLか、落ち着いた雰囲気の飲食店か。
とにかく、恨みを持たれる心当たりなど全くない(まだ20代半ばのぼやッとした感じの私が!)と、驚きながら思ったところ、スッ…と、金縛りが解けました。
普通金縛りというのは、ガッツリかかって心の中で悲鳴もんなのですが、このときは、ものの数十秒か数分足らずでほっとしました。
人違いとか、なんかやましく付け入るスキがなかったからなのかな…。
しかし、いやいや、甘かった!
翌朝、物凄い頭痛で目が覚めました。
仕事柄首筋や肩が凝りやすく、日常的に緊張性頭痛に悩まされていた体質とはいえ、度合いが全く異なる激痛に見舞われ、急遽鎮痛剤を服用しなければなりませんでした。
当日中も帰宅途中も頭痛に悩まされました。
不思議なのは、このような不自然で怖い体験をした後なら、昼食時の話のタネにしたり、帰社後に同僚と話したりするものですが、その後長い事話すこなく忘れ去っており、再び思い出して話題にしたのは、5~6年もたった転職後の別の会社に勤務するようになってからでした。
金縛りが早く解けるなんて、すこし物わかりの良い霊だったなどとマイルドに形容しましたが、今でも、よく似た印象を受けるタイプの女性は、なんだか苦手です。
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