夏の夜、ジュースを買いに
投稿者:vam (4)
私が子供の頃住んでいた家は田舎町の中でもさらに田舎の方で周りに家が数件建っている程度だった。夜になるとポツンポツンと立っている街灯の灯りでやっと周囲を見渡す事ができる。
私が小学4年生の時の蒸し暑い夏のある夜、父が突然「炭酸が飲みたい!ジュースを買いに行くぞ!」と言い出した。普段ジュースをあまり買ってもらえない私は「行く行く!」とノリノリで返事をした。私には兄と弟がいたが何かの遊びに夢中になっていて、私だけが父に着いて行く事になった。
夜の9時頃だっただろうか、家から2、300m離れたところにある自動販売機に行く事になった。
家の中にいる時は暑い暑いと思っていたが(30年近く前でエアコンも使ってなかった)外に出て見るとなんだか生ぬるい風が吹いていて意外と涼しいじゃん、とはじめは気分良く歩いていた。
家の真横にお寺がある事もあってかその生ぬるい風を段々不気味に感じ始めていた、父の背中を見ながら暗い夜の道を歩いているとザザザ、とかゾワゾワといった音というか気配を感じる。
私は気配を感じる足元を目を凝らしてみると・・・ゴキブリだ。
自分の足元いっぱいにゴキブリがいる、視野を広げていくと6m幅ほどの道路一面にいるゴキブリが向こうからこちらへ大急ぎで移動している。
私はあまりの驚きで自分の足をつたって行くゴキブリを気持ち悪いとも思わなかった。
父も気付いた様で少し離れた所で悲鳴をあげている。私が度肝を抜かれている間にゴキブリの大群はあっという間に過ぎ去って行った。
私はゴキブリの大移動を見たのだ。
外国ではバッタ 日本ではゴキブリなのか? 見たいような…怖ぇ