口の中の秘密
投稿者:淹 (1)
これは私がまだ中学生だった時の話です。当時、私のクラスでは都市伝説や怖い話が流行っていました。
クラスの何人かが放課後に残って(大抵は6人くらいだったと思いますが)、教室で集まってはそんな話をしていました。
特にAちゃんという子が話上手で、誰かが一度は聞いたことがあるようなオチの分かる怖い話でも、ゾクッとするような語り口調で話してくれて、私はこっそりAちゃんのファンでした。
いつかAちゃんが話してくれた話のひとつに、”この世のものではない人の見分け方”というものがありました。Aちゃんからそれを聞いてから、私も見分けることができるようになってしまったので、今日はそのお話を投稿したいと思っています。
これは実際にAちゃんと私が体験した話です。
まずはAちゃんが見分けられるようになったきっかけをお話しします。
Aちゃんがいつも使用している通学路には少し大きめのショッピングモールがあり、そこはかなり人通りが多く、人の行き来が激しいそんな場所でした。
Aちゃんは、“ある人”が目に付くようになります。
人通りの多い交差点で横断歩道を渡るでもなく、ただただそこに立ちすくんでいるだけの人がいました。
Aちゃんはその横断歩道を渡らずまっすぐ帰るので、いつもその人の横顔しか見ることができなかったらしいです。
その人に気づいてから1か月くらいたったある日、その人はいつもとは違う角度で立っていました。
横断歩道に背を向けて、Aちゃんが歩く側の方を向いていました。
そういえば初めてその人の顔を見るなぁなんて思いながら、Aちゃんは何の気なしにちらっとその人に視線を移します。
そしたらその人は、ぽかんと大きく口を開けていたんだそうです。Aちゃんはその人の口の中を見てしまいました。
慌てて目をそらしたそうですが、頭の中でその人の口の中が全く離れてくれませんでした。
口の中を見た瞬間的に「生きている人間じゃない」って思ったんだそうです。
どうして口を見てそう思ったの?と聞いたんですが、Aちゃんは「また今度話してあげる」って笑ってそのときは教えてくれませんでした。
その今度を私は待っていたのですが、Aちゃんはそれからしばらくして集まりに参加しなくなってしまいました。
それどころか、クラスの子たちとあまり話をしなくなってしまったんです。
どうして突然そんな態度になってしまったのか私も気になってしまって、昼休憩にAちゃんに聞いてみました。最近どうして放課後残らないの?って。
そしたらAちゃんが、その質問に「ちゃんとあかいよね?」と返答してきました。
私の質問に対しての答えとずれすぎていて、一瞬彼女が何語を話しているのか分かりませんでした。
時間にするとほんの数秒であったと思います。私はAちゃんの発した言葉をもう一度頭の中で拾い集めました。
ち ゃ ん と あ か い よ ね ?
頭の中でつなぎ合わせたその言葉をやはり理解することはできませんでした。
それにAちゃんが発したその言葉がすごく冷たいというか無機質というか、とても恐ろしく感じて私は言葉の意味を聞き返すこともできませんでした。
仲の良い友達にその話をしたら、からかわれたんじゃない?と笑われたけれど、なんだかそんな感じでもなくて。でももうAちゃんに話しかける勇気が出ず、私はもう忘れてしまおうと思いました。
そうやって忘れようと思っていたのに……その日の放課後のことです。
下駄箱で、今度はAちゃんから私に話しかけてきました。内心どきっとしたけれど、その時のAちゃんはいたって普通に見えましたし、「さっきは変な質問してごめんね」と謝ってもくれました。
でも話していくうちに少しずつ様子がおかしくなっていきました。
なにこれめっちゃ怖い
鳥肌
ほん怖とかで実写化してほしい
面白かった
よくある小説みたいな怖い話じゃなくて新鮮でした
すばらしい!
こう言ってしまうと失礼かもしれないけど、少し素人っぽい文章がリアルで怖かった。
良ホラー
久々にしっかり怖い話を読んだ気がします
3番目の方のコメントの
>よくある小説みたいな怖い話じゃなくて新鮮でした
これめっちゃわかります
こっわ
絵が浮かんでくる
ショッピングモールいきずらい・・・・
ためはち
素晴らしい話でした!!
Aちゃんはどうなったんだろう?
はにわだな。いや、ありゃあ目も黒いか。