「あ~そ~ぼ~」の声の主
投稿者:tsukihime (5)
私が子供のころの話です。
実家には、父母弟私の4人家族が住んでいました。
年中頃~小学5年生の間は、よく怖い経験や不思議なことがありました。
今となってはもうそんな体験もなくなりましたが、数が少なくなったとは言え30歳くらいまでは色々とあった気がします。
今回は全盛期である、子どもの頃の話。
小学3年から5年生の夏休みに起こった不思議な体験。
私の家族は夏休みになると家の中で一番涼しい座敷に4人揃って寝るのが習慣でした。私は座敷の掛け軸がいつも怖くて、掛け軸から一番遠くにお布団を敷いて寝ていました。
なぜならいつも座敷の掛け軸の【向こう側】から呼ばれる気がしていたからです。
基本的に、自営なので父も母も家に居る事の方が多いのですが
親の不在時・朝9時頃~10時頃 決まって名前を呼ばれるのです。
『〇〇ちゃ~ん、あ~そ~ぼ~』
もちろん私の返事は「は~あ~ぃ」
そして2Fから玄関へと駆け降りるのですが……誰もいません。
部屋に戻ると、また
『〇〇ちゃ~ん、あ~そ~ぼ~』
「は~あ~ぃ」今度は2Fの窓から外を確認!友達は見当たりません。
でも『〇〇ちゃ~ん、あ~そ~ぼ~』と、また声がするので玄関へ。
やっぱり、誰もいません。
3回目。今度は呼ばれたらすぐに下りられるように階段上で待機。
『〇〇ちゃ~ん、あ~そ~ぼ~』
あれ?玄関じゃなく、座敷から聞こえてるような…しかも夏休みは宿題をしてから10時にならないと友達同士で遊んじゃダメって学校のルールもあります。
友達じゃないなら…誰?
座敷に見に行くと、やっぱり誰もいない。
部屋に戻ろうとすると、背後の座敷からもう一度声が
『〇〇ちゃ~ん、あ~そ~ぼ~』
すぐに振り返り、座敷を見渡しましたが誰もいない。
ただ、掛け軸が風もないのに揺れていました。
これが、座敷の掛け軸が怖い理由。
そして、わたしを呼んでいたのは誰なんでしょう。
よっぽど遊びたかったのでしょう。座敷わらし?