恐ろしい初夢

そうこうしているうちに足をつかむ腕の主がホーム下から上がってきました。その顔はなぜか前方の女の人と同じものでしたが、不気味な笑みを浮かべていました。

電車が入ってくるホームに引きずり込まれる直前、実際に自分が発した「助けて」という声で目を覚ましました。

そしてその年の正月休みが明けた初出勤日、私は仕事を終え帰りの電車に乗ろうとしていました。しかし電車に乗り込んだ直後、線路内に人が立ち入ったというアナウンスを受けることとなります。

結局電車が再び動き出すまでに30分以上もかかり、この時点で人身事故であることを確信した私でした。

翌日ネットニュースによると、その人身事故はまさに私が乗り込もうとしていた車両、そこに飛び込んだ人がいたからだとなっていました。

おわかりでしょうか？1年目の初夢で電車にひきずりこまれる夢を見たときは、私が乗り込もうとしていた車両で飛び込み後起こり、

2年目に弟が飛び降りる夢を見たときは、その時の飛び降り現場と同じ状況が後になって出来上がったのです。

新年最初に不吉な夢を見て、それと同じような状況が出来上がっていく。そのことに気づいたとき、この夢は自分や兄弟の死を知らせる見たくない予知夢ではないかという確信が生まれました。

そして私には弟のさらに下に妹がいるのです。1年目が私、2年目が弟、そしてその法則から考えれば、3年目にして妹が死ぬ初夢を見ることになり、そして今度こそその夢が実現してしまうのではないか。そんな不安が1年を通してぬぐえませんでした。

結局1年を通じて妹に何かあるということはありませんでしたが、翌年も妹に関する夢を見て、そしてそれにまつわる不思議なことが起こっていました。3年目に見た初夢についても、機会があればお話ししたいと共います。めでたいことの象徴とされる初夢ですが、時にそれは不吉なことの予兆とのなりうるのかもしれません。