船型の箱と代償
投稿者:林 (4)
長編
2022/02/14
20:33
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そしてその考えは、数年~数十年かけて当たったことを証明した。
祖父とすぐ上のお兄さん以外の男兄弟と、妹達の夫となった人達はみな、若くして亡くなってしまったのだ。
さらに、結婚して子どもをもうけても、やはりその子が男だと短命であったり、若くに亡くなってしまうのだ。
祖父には二人息子がいたが、二人とも祖父より先に亡くなってしまった。
祖父は家があれほど栄えていたのは蔵に閉じ込めていた”何か”の力で、その代償して子どもに障害があったのだろうと言っていた。そして、それを壊した罰として自分と兄はすべてを見届けるために長生きさせられ、さらに一族の男達は短命なのだろうと。
そして、”何か”の正体については、どうしても訊けなかったそうだ。
その話をしてしまったら、自分達のせいで家族の運命を狂わせたと責められると思って、言い出せなかったらしい。
祖父は最後にこう言っていた。
「呪いを断ち切れたのであればそれでいい。ただ、また別の呪いがかけられてしまったのだとしたら、申し訳ない」
今のところ、祖父の孫に当たる私達世代には若いうちに亡くなった男はいません。もしかしたらこれからなのかもしれませんが。
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