3人組の白装束
投稿者:ガトー (2)
これは10年ほど前、私が20代前半の頃の話です。
私は当時、ある町の端のアパートで一人暮らしをしており、周りは田んぼでいわゆる田舎でした。
私は職場まで自転車で通勤しており、その日も同様に自転車で出勤していました。
その日、仕事終わりに職場の先輩数人に食事に誘われ、時間が過ぎるのを忘れ楽しんでしまい、私の帰りは深夜の1時頃となってしまいました。
職場で解散となり、先輩たちとはそこで別れ、私は一人、自転車でアパートに帰ることとなりました。
深夜であり、また田舎であることから街灯もほとんどなく、自転車のライトだけを頼りに夜道を走っていました。
10分ほど走り、アパートのすぐそばまで着いたところで、10mほど離れたところの曲がり角から何かが走っていくが見えました。
暗くよく見えなかったため、目を凝らして見てみると、そこには白装束を着た3人組がおり、縦一列になり走っていました。
3人組は私が来た方向とは逆方向に向かって走っており、私から離れていきました。
私は、恐怖より好奇心が上回り、10m先にいたその3人組を追ってみようと考え、自転車を走らせようとしました。
しかし、3人組をよくみると、走っているのと同じ速度で動いておりましたが、走っているというより、まるで地面を滑るように動いていることに気づきました。
私はそこで自転車を止め、追うのをやめることにしました。
10年ほど経った今でも、その時のことを思い出しますが、3人組の白装束が何者だったのかは今となって走る由もありません。
しかし、心の底から思うことがあります。
あの時、彼らの後を追わなくてよかったと。
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