おっさんの添い寝
投稿者:ウルシバラ (4)
ずいぶん昔の話になりますが、ちょっと変わった体験だったので、ここで投稿させていただきます。
若い頃にひとり暮らしを始めて、4年くらいたったころでしょうか。
その頃、安い文化住宅の賃貸アパートに住んでいました。怖がりだったので、勿論いわくつきなどの条件付きの賃貸に住んでいたわけではありません。
2階の角部屋で地元の銭湯を営んでいる人が大家さんでした。
最初のころは特に怖い思いをすることなくひとり暮らしには十分な広さの部屋だったので、快適に暮らしていました。
その日は、特に変わったこともなくいつものように仕事をして家路に着いたと思います。
いつものように、玄関や窓の戸締りを終えて、寝る支度を済ませて、いつも通りに布団に入って眠りにつきました。
夜中、何となく目が覚めて電気の消えた薄明りの部屋でぼーっと辺りを見回してみると左側に添い寝をしている作業着を着たおっさんが、目を閉じて口を尖らせ今にもキスをしようと迫ってくる最中でした(あくまでも、そんな”感じ”でおっさんの顔がはっきり見えたわけではありません)。
見えないはずのものが見えて怖いはずなんですが、その時の表情があまりにもふざけていて、寝ぼけたまま噴き出し笑いをしてしまいました。
すると、その姿がスッと消えて見えなくなってしまいました。
一瞬、不審者が侵入してきたのかと怖くなり、窓や玄関の施錠を確認しに行きましたが、ドアも窓の鍵も閉まったままでした。
霊も笑われたら恥ずかしくなるのかな…