悪いモノを持っていってくれた祖母
投稿者:R子 (6)
今から10年以上前、私が学生だった頃に体験した、少し不思議な話です。
当時、私は学校内での人間関係に悩んでいました。クラスメートである一人の子と、仲が拗れてしまったのです。何故拗れてしまったのか。私が悪かったかもしれないし、相手が悪かったかもしれない。はっきりとしないのは、相当辛かったからか当時の記憶がほとんど無いからです。
それでも残っている辛い記憶はあります。それは相手の取った行動があまりにも酷く、私はもう生きていけないと絶望した記憶です。相手の取った行動というのは、私以外の学校の人間を自分の味方につけるかのようなものでした。私にはもう誰も味方になってくれる人はいない。周りの人達は私が悪者だと思うだろう。様々な感情がわき出てきて、とうとう私は堪えられなくなり、死にたくなってしまいました。
どうやって死のうか。そのことばかり考えるようになり、学校へと行けなくなりました。母が外出する予定を急遽取り消すくらい、私の様子はおかしかったようです。部屋に籠っている私の元に、母は何度も足を運んでくれました。私が死のうとしていることに、勘づいていたのかもしれません。
そんな時、悲しい知らせが届いたのです。長らく入院していた祖母が亡くなった、と。私が死にたいと考えていたタイミングでの祖母の死。祖母は、私の代わりに亡くなったのだ。私はそう思わずにはいられませんでした。
祖母が亡くなった後、私は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。私が死のうとしていなければ、祖母はまだまだ長生きしていたかもしれない。葬儀の前日、申し訳ない気持ちを抱えたまま眠りにつきました。
夜中にふと目が覚めると、部屋のドアの隙間から光が漏れていることに気が付きました。部屋へと漏れている光を見て、祖母が会いに来てくれたのだと、私は何の疑問も抱くことなく思いました。その光は、部屋の外の電気よりもやけに眩かったことを覚えています。現実だったのか夢だったのか、今でも分かりません。
この後、不思議と物事が良い方向へと進んでいくようになりました。死にたい気持ちが薄れたり、先生やクラスメートが私に味方してくれたり。あの日の夜に、祖母が悪いモノを全て持っていってくれたのだと、私は信じています。
いいいいいはなしいいいいいい