お墓からついてきちゃった女の子

私がまだ子供のころのお盆の思い出に、怖いような切ないような、そんな話があります。

私がまだ中学生の頃。お盆の初日に父方のお墓に墓参りに行くことになりました。
「お墓参りの後は湖で遊んでラーメンを食べて帰ろう！」という父の言葉に非常にわくわくしていた覚えがあります。
父方のお墓は湖からほど近い山にあり、舗装されていない山道を20分上るとうちの墓があります。
兄弟とはしゃぎながらの墓参りはあっという間に終わり、湖水浴を楽しんだのでした。

異変は帰りの車内で起きました。
兄弟と会話をしている途中に急に意識が途切れたように眠りについてしまったのです。疲れたからだろうと思っていましたが、そのあとも異常な眠気が続きました。

帰宅すると玄関近くのソファに倒れ込み、そのまま眠りについてしましました。話しかけられても返事をするのが精いっぱいでほとんど意識が保てません。

おかしいと思い、父にやっとの思いで状況を伝えると、
父は「お墓から着物の女の子の霊をつれてきちゃってるからな」と普通に言い放ったのでした。

私の父はいわゆる霊感がある人です。
父曰く、墓参りの時から女の子の霊が私にとりついてついてきていたそうです。悪意がないので放っておいたとのこと…
簡単にも父親が力いっぱい私の背中を叩くと急に眠気が覚めて意識が戻りました。
「お前たちがあまりにも楽しそうでついてきちゃったんだな…また一人で山に帰っていたよ。」
と父は私には何も見えない部屋の隅を見つめてつぶやいていました。