臨海学校の夜に起きた恐怖体験
投稿者:薄い麦パン (2)
短編
2021/09/01
21:21
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小学5年生の頃、学校行事として2日間の臨海学校がありました。
ただ、1日目の夜はあいにくの雨でキャンプファイヤーは中止となったので
代わりに体育館の中央にロウソクを置いてクラスごとの出し物をすることになりました。
一通り出し物が終わると、先生方が次々に怖い話を始めました。
童話「かごめかごめ」の歌詞の意味、藁人形を買って起こった不思議な体験、金縛りでみたお化けの話…
ただでさえ広い体育館がさらに広く感じられ、心なしか肌寒くなったようで、隣に座る友人の手をぎゅっと握って互いの存在を確かめ合っていました。
そのまま会は終了し、各々割り当てられた部屋へと戻りました。
しかし、怖い話を聞いたせいか、ゾワゾワした気持ちが抜け切らず、更なる刺激を求める子たちがそれぞれの持つとっておきの怖い話を始めました。
すると突然「キャー!」という悲鳴とガタガタと物がぶつかる音が聞こえてきました。
何事かと廊下にでて確認すると隣の部屋から顔を真っ青にしたクラスメイトの女の子たちが慌てて出てきました。
そのうちの1人に何があったのか聞くと、「怖い話をしていて、たまたま鏡を指さしたらその鏡が割れたの」と震える声で教えてくれました。
そんなまさかと思って部屋の中を覗くと鏡はまるで誰かの手によって割られたかのような砕け方をしていました。
お化けの悪戯か偶然か。
子供には刺激があまりにも強すぎて、その夜は小さなベッドに皆で身を寄せ合って眠りました。
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