赤い顔のひこぼし

　私には３人の息子がいます。６歳と３歳と２歳の兄弟で毎日がうるさく幸せに暮らしています。
　子供には大人には見えていないものが見えるって言いますが、あなたは信じますか？
　というのもこのごろ不思議な体験をしているのです。

　私たちが暮らしているのは東京にも簡単に行けるベッドタウンで、駅から徒歩１５分と近いにも関わらず、元々は畑が広がっていたようで、その為同時期に広く開発され、周りも新しいお家が立ち並ぶ新興住宅街地です。小学校も新しく静かでとても気に入って、新築の一軒家を購入しました。

　そこに越して２年目の事、息子が幼稚園年中さんの時に七夕の短冊にかかれたヒコボシのイラストの顔を、真っ赤に塗っていたのです。
　笹もやしの日（この幼稚園は伝統として七夕の飾りと一緒に笹ごと燃やして、天に願いを届けます）の帰り、赤い顔のひこぼしの事を思いだし、どうして赤く塗ったのか聞いてみることにしました。

　息子は、、、、
　「お顔が真っ赤なのは血だらけだからだよ。お空にいけたかな。」と。
　私はなにか背中がゾクリともしましたが、それ以降、赤い顔の何かを書くこともありませんし、子供の気まぐれだのだろうと時に気にしませんでした。

　１年ほどたち、すっかり赤い顔のひこぼしの事は忘れていたある日、おしゃべりが上手になった次男が言うことを聞かないので、「言うことが聞けない子には、おばけが来ちゃうぞーー。」と冗談まじりに言ったら、次男がキャーーーーと走りながら「赤のかお、おばけだぁーー。」
と走り、三男も部屋の隅を見て、手を振るのです。

　子供たちにしか見えない何かがいるのでしょうか。私は信じたくはありません。