病院のロッカールーム前の廊下で・・・
投稿者:エチュード (2)
私は数年前にとある病院の調理員として働いていました。勤務体系としては早出・日勤・遅出の3パターンがありました。
そんな私が勤務先である病院で怖い体験をしたのは、ちょうど秋から冬に向けて寒くなってくる頃でした。
その日は遅出。いつもより少しだけ早く終わり、ロッカールームで着替えて帰り支度をしていました。
本来なら遅出の時は必ず二人でペアになって仕事をするのですが、あの日はいつもとは違うメンバーの人と仕事をしていたため、ロッカールームは別々でした。いつもならそばに誰かがいてくれるのだけどちょっと心細いなとは思っていました。
そんな中、私はふといつもと何か違う異様な雰囲気を感じました。この何ともいえない感じは何だろうと思っていましたが、もうすぐしたら帰宅できるしと考えてなるべく気にとめないようにしていました。
しかし、そんな気持ちとは裏腹に急に足音が・・・。しかもその足音は普通の歩く時の音ではなく、何かを引きずっているような音。ずぅー、ずぅー、ずぅーと言うようなもの。ちょっと変わった足音が聞こえてきたと思ったら、確実にその音はどんどん自分のいる部屋に向かって近づいているではありませんか。確かにロッカールームの前は一本の廊下があるだけ。他の夜勤職の人が歩いているのかもとも思いましたが、次の瞬間私は背筋が凍りました。なぜか私がいるロッカールームの前あたりでその引きずるような足音は急にピタリと止まったのです。私はしばらく怖くて動けなくなってしまいました。
どれくらい経ったころでしょうか。いつまでもロッカールームにいるわけにもいかないので、思い切ってドアを開けました。
もちろん誰もいなかったのですが、長く続く廊下には濡れたものを引きずったような汚れだけがありました。
どんな存在が何をしにきたのかはわかりませんが、これが私が人生で初めて経験した心霊体験です。
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