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心霊

410410さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

幽霊にゴマをする男
長編 2026/10/31 21:23 156view

常宿で昼食を取っていると若女将が言った。
「今晩、記念館で民話会の怪談語りがありますよ…」
記念館というのはこの地の名産の染め物記念館のことだ。
「へえ…いいですね…」
民話会は地元の有志のグループだそうだ。
定期的に民話を語る会も行われているらしいが、今時の子供達はなかなか興味を示してくれない。
それならと企画されたのが怪談会だったそう。
一昨年に試しにやってみたらそこそこの賑わいを見せたらしく、今年も第二弾が開かれることになった。
逗留も三日目ともなると何か代わり映えのするものを提供しようという若女将の配慮だろう。

せっかくの好意だし怪談も大好きだ。
私は出掛けてみることにした。

怪談会は夜の七時半から。
若女将の娘さんをお供にブラブラと赴いた。

若女将の娘さんは出会った頃は小学五年生だったが、今は中学二年生だ。
時折宿題やテスト勉強を手伝うようになって、今やすっかり姪のような存在だった。

「茉菜ちゃんの友達も来るのかい?」
「ううん、親しい子はお盆で親の実家に行ったり、旅行に行ったりでこっちにいないから。知ってる子で来る子もいるかもしれないけど…」
家が商売してる子を十年もやってるせいで、自分がお出掛けすることに関してはすっかり諦めがついているようだ。

なだらかな坂をダラダラと歩いて石の橋を渡たると日本庭園みたいな公園がある。
その広い公園の敷地内に記念館はあった。
小川に流れる水のせせらぎが耳に心地良い。
しっかり外灯が設置されているので足元が覚束ないというような事はなかった。
しばらく庭園を歩き脇道に入ると目的地の記念館があった。
和風の建物でそれほど大きくはない平屋作りだが、見えない奥に体験教室をする和室があるという。
怪談話をするにはなかなか適した場所じゃないかと、にわかに期待が高まってきた。

~…
だいたい二時間位の会だった。
子供らは大人に連れられて来ている子がほとんどだった。
茉菜ちゃんの同級生の知り合いは残念ながら不参加だったようだ。

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