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心霊

みのかささんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

飛蚊症の方は読んでください
短編 2026/08/04 17:07 65view

これは私が小学校中学年くらいの頃の話です。

母方の実家が京都で、毎年夏休みには家族で遊びに行っていました。京都では必ず曾祖父と曾祖母の墓参りをします。二人とも私が生まれる前に亡くなっているので思い出も何もないのですが、そういうものだからと言われ毎年ついて行っていました。暑い中を歩くのが大変だった、という記憶しかありません。

墓参りのあとは、お寺で尼僧さんの話を聞くのが恒例でした。親族から○○先生と呼ばれていた方で、優しくてユーモアのある人でした。仏教の教えや輪廻転生の話を、子どもの私にもわかるたとえに置き換えて話してくれるので、これだけは毎年楽しみにしていました。

ある年、私は先生に「自分は幽霊が見えているかもしれない」と話しました。
視界の中にもやのようなものが見えることがある、と。

正体はあっけないもので、ただの飛蚊症です。私は当時から飛蚊症がひどく、視界に半透明の糸くずのようなものが浮かんで見えることがありました。今となっては笑い話ですが、当時の私は本当に幽霊が見えていると思っていました。

先生は真剣に話す私を笑ったりはせず、少し考えてから、こう言いました。

「それは○○くんの目に傷がついているのかもしれないねえ」

その証拠に、と先生は続けます。
「○○くんが目をきょろきょろさせると、そのもやも目の動きに合わせてついてくるでしょう」

やってみると確かにその通りでした。納得したあとで、目に傷がついているなんて大丈夫なのかと不安になりましたが、先生にもあるから大丈夫だと言われて安心したのを覚えています。

少ししてから、先生は静かに続けました。

「もし、○○くんの目の動きについてこないもやがあっても、それを追いかけ続けてはいけないよ」

え、と聞き返した私に、先生は静かに続けました。

「それはもしかしたら、もしかしたらだけど、本当の幽霊かもしれないからね」

曰く、

幽霊というのは、誰にでも見えるわけじゃない。
だからいつも、誰かに見つけてほしいと思っている。
見られていると気づくと、その人についていってしまう。

「だからね、○○くんの目に変な動きのもやが映っても、無視すること。見えないふりをすること。先生との約束ね」

その言葉が、今でも忘れられません。

ところで、これを読んでいるあなた、飛蚊症の症状はありますか。

もしあるのなら、一度でいいので試してみてください。

目を左右に動かしたとき、ちゃんと全部のもやがついてきますか。

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