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不思議体験

ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

廃工場の靴
長編 2026/02/06 20:21 452view

プロローグ:問いの提示
私がこの話を聞いたのは、2025年1月15日のことだった。
都内某所のカフェ。平日の昼下がり。窓際の席で、体験者のAさん(仮名・30代男性)は、終始テーブルの上のコーヒーカップを見つめていた。
「信じてもらえないと思うんですけど」
彼は三度、そう前置きした。
私は頷いた。信じる信じないではない。ただ、聞きたかった。

第一部:最初の証言
Aさんは建築写真が趣味だという。廃墟を専門に撮る。
「廃墟は美しいんです」
そう言いながら、彼の顔色は悪かった。
話は昨年の秋、2024年10月のことから始まった。埼玉県某所にある廃工場。インターネットで場所を特定し、友人のBさん(仮名)と二人で侵入した。

「最初は、普通だったんです」
Aさんは言った。
「ただの廃墟。錆びた機械と、埃まみれの床。窓から差し込む光が綺麗で。写真を撮りながら、奥へ進んでいきました」
だが。
「あの音が聞こえてから、何かが変わった」

【取材ノート断片】

1/15 14:30 – カフェにて初回取材
・Aさん、建築写真が趣味
・廃墟専門。「美しい」と言うが顔色悪い
・友人Bさんと二人で侵入
・「あの音」について話すとき、手が震える

・質問:なぜ今になって話す?
・回答:「もう一人で抱えきれない」(泣く)

第二部:体験の再現
2024年10月某日、埼玉県某所の廃工場
午後2時。
Aは工場の正面ゲートから侵入した。友人のBが先に入り、Aが続く。
工場は三階建て。外壁は剥がれ、窓ガラスの多くが割れている。典型的な廃墟だ。
だが。
内部は、予想と違った。
整然としている——と言えば奇妙に聞こえるかもしれないが、機械が整列し、床に散乱物がない。埃は確かにあるが、異様に少ない。
「誰か掃除してる?」
Bが冗談めかして言った。
Aは笑わなかった。何かが、おかしい。

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