ボクの母校である小学校の1つ隣の地区にある小学校の体育館が火事で全焼した。
古くからある木造の体育館で、その小学校のシンボルになっていた建物だ。
ニュースでは放火ではないかという話になっていたが、地元では別の噂も立っていた。
ずばり「人魂」から燃え移ったのではないか、という話である。
いわゆる学校の七不思議のような形で、その小学校には体育館にまつわるいくつかの話があった。
例えば放課後空が暗くなってきた頃、ミニバスケットボールのメンバーの子が体育館に向かうと、まだ誰もいないはずなのに体育館の中から明かりが漏れている。
誰か先に電気をつけたのかと思って中に入ろうとすると、そこにはかなりの大きさの炎の塊がふよふよと飛んでいたという。
また他の人の話では、深夜、学校の目の前を通る国道を車で走っていたところ、絶対に誰もいるはずのない体育館の窓が明るくなっていたという。
そんな噂が立つ理由がある。
この地域は関東大震災で大規模な土砂災害が発生し、夜通し救助に当たっていた際に再度土砂が崩落し救助隊も複数名巻き込まれるという痛ましい歴史があるのだ。
その際犠牲になった救助隊がまだ松明を持って救助を待っている人を探しているのかもしれない……。
体育館は仮にプレハブで建て直されて現在新しい建物を建設中である。
火事の要因が実際はなんだったのかは今も明らかにはなっていない。
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