あの子はだあれ

僕は、結婚して1児の父親のまぁまぁ有名なお笑い芸人だ。名前は、ABC

ある日、お仕事が入った。それは、超有名な「奇々ドッキリ！」という番組だ。
その番組の仕掛け人役を任された。今日はその打ち合わせだ。

「おーい、○○！もう仕事行くからね。ママが帰ってくるまでお留守番よろしくね」
といい家を出ようとしたら、ちょっと遅れて
「はーい！お仕事頑張ってね」
という声がした。僕は今日も頑張れそうだと思いながら家を出た。

今日は、マネージャーが家まで迎えに来る日だ。マネージャーを待つこと5分。
車がついた。ドアを開けて、車に乗り込もうとすると同時に、マネージャーから
「おはようございます！今日はいい天気ですね！」
といった。僕は、

「あ、そうですね！気持ちの良い晴天ですね」
と返した。

打ち合わせをする部屋は冷房がキンキンになっていた。僕は、思わずちょっと「ﾌﾞﾙｯ」っとなった。

打ち合わせの内容は、どんなドッキリをするか＆そのためにどんな準備が必要かを話し合うようだ。

荷物を置いて、席に着くと、主催者のBさんが話し出した。
「えー、今回の仕掛け人はABCさんでターゲットはAさんです。」「どんなドッキリをしたいですか？」
と僕に振ってきた。僕は
「んーまあ、穴に落ちるとか何気ない「わっ」っていうやつを1日中仕掛けるとかですかね」
と答えた。そしたら、みんなは
「いいですね！」
といい、話は進んだ。

時間がたち、ドッキリの内容が決まった。仕掛けるのは、約2か月後らしい。随分期間が長いなと思いながら、する内容は僕が言った《「わっ」っていうやつを1日中することと車に乗ったら、知らない可愛い女の人がいるドッキリ》に決定

2か月後の昼

僕はドッキリのことをすっかり忘れていて、マネージャーに今日は仕事ですねと言われた。そうだったっけと思いながら、身支度をした。格好は、普通でいいか。身支度が終わって、身バレしないように、サングラス＆帽子＆マスクの三点セットを身に着ける。
今日は、自分の車でお仕事に行くらしい。

時間なり、家を出るときに息子＆妻に
「おーい、○○！お仕事行ってくるね！お留守番よろしく！」「仕事頑張ってくるわ！待っててね」
といい、家を出ようとしたときに、息子と妻が
「いってらっしゃい！」
といった。家を出て、自転車で帰ってくる息子を見た。僕は、息子に
「え、○○家に居なかったっけ？」
といった。息子は
「え？さっき、遊びから帰ってきたばっかだよ？」
と言われた。僕は、幻聴かなと思いながら車に乗った。ちなみに、妻は家から聞こえた息子の声は、聴いている。あの子は、一体誰なのだろうか？