ある7月の終わり頃のある日の夜、私は珍しく悪夢を見ました
自宅の玄関に見知らぬ女性がいるという夢です。
悪夢の内容ならばこの内容は珍しくないものと言えます。ですが私が恐ろしく感じたのはその女性の見た目です。
青白い肌、所々付着している血、そして女性が着ている真っ赤な服
その見た目は私が見た夢の中でとても印象に残るほど恐ろしいものでした。
その翌日、普段より気温が高く感じ、いつもより汗をかきながら起きた私はその夢の内容を兄に話しました。
話を聞いた兄は、こんなことを言いました。
「お前ずっと「なくなった」って連呼してたぞ」
その言葉はあまりにも意味不明でした。
あの夢で「なくなった」と言える場面はなかったはずです。私も夢の中では「この人は誰なんだろう」としか思ってませんでした。何が「なくなった」のか、そもそも何の「なくなった」なのか
率直に考えるのなら、幽霊が出た夢なので身体が「無くなった」か「亡くなった」なのか
人は目覚めた後、夢の内容のほとんどを忘れてしまうと言われています。もしかしたら、私が忘れているだけで、その「なくなった」に関連する場面があったのでしょうか。
終
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