ウエヲミテ
投稿者:たち (10)
祖父と心霊番組をよく一緒に見ていた。
祖父から一度だけ聞いた話。
「山の家のおじさん、亡くなったから葬式に行ってくる。」と祖父は私に言い残し出ていきました。
私は、
「あー、山間にある家か…」
「小さい時、一回だけ行ったことあるな…犬飼ってた家だ。」
と思い出しました。
それと同時に、
「けど、あそこ…」
という思いが込み上げてきました。
その場所というのが、山間の凹んだ土地にある家で肌寒く、数百メートル上の道路を車が走っている所でした。
そこにある、赤い大きな橋が自殺者が多くいる場所でした。
赤い橋から下を見下ろすと、祖父の知人の家が数十メートル先に見えています。
幼い頃はわかりませんでした。大きくなり、その場所の噂を多く聞いたことがあります。
数日後、祖父と2人でいた時、何気なく、
「この間亡くなったおじさん、なんで亡くなったの?病気?」
と聞きました。祖父は、
「うーん…」と言うだけでした。
私は、
「結構前に引っ越ししたんだよね?」
「あそこの橋、有名だよね。」
「怖くなかったのかな?」と言いました。
その後、私はこの話をしたことを後悔しました。
祖父が、
「お前も大人になったから大丈夫か…」と言い、
「ある出来事があって、引っ越しをしたんだ。」
私は黙って聞いていると、
「あそこ、自殺する人がいるの知ってるよな?橋から落ちてくると、ドサッってすごい音するらしいんだ。」
「その度に、あー、また落ちたかと思って知人は落ちた場所を確認に行って、通報するらしい。」
私は、話を聞きながら想像し、ゾッとしました。
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