運動会の時見た少女

私が小学生だった頃。今思い出してみると当時の私は少し霊感があった方なのだと思います。

私が小学生の頃は春と秋に大運動会がありました。春は鯉のぼり運動会といって、校庭には沢山の鯉のぼりが泳ぎます。
秋の運動会に比べて比較的競技も少なく早く終わるので運動会などの順位付けられる事が苦手な私も楽しかった事を覚えています。

小学6年生の中でも背が高かった私は、みんなを整列させたあと1番後ろに立って次の競技が来るまでの順番を待っていました。
ふとその時に、後ろから暖かいものを感じ振り返りました。
そこには見たことの無い美少女が立っていました。
品の良さそうな大きなつば広の白い帽子をかぶり、白の膝丈のワンピースに白のレースの靴下にエナメルのつやつやとした白い靴を履いていました。

おかっぱ頭の女の子は綺麗な瞳をキラキラとさせこちらをニッコリと笑って見ていました。

見たこともないほど品の良い女の子だったのでビックリして前に並んでいた子に声を掛けみんなで振りかえると、そこにはもう誰も立って居ませんでした。
その場所に駆け寄りしばらく呆然としてしまいましたが、そのあとその美少女の話をみんなに話して、学校中探し回りましたが、そのような子を見た人は誰一人いませんでした。

それからしばらく頭の中から女の子の顔や姿が頭から離れず、モヤモヤしながらなんとなく昔の卒業生たちが写っているアルバムを開きました。
何冊目かを開いた所で手が止まりました。そこには私が探していた美少女がそのままの姿で立っていました。
ニッコリとこちらを見つめる姿もそのままに。

私はみんなには話さず1人静かにその子の写真を見つめていました。その子がなぜ運動会の日にいたのかも分かりません。生きているのか、もう亡くなっているのかもわかりません。ただあの暖かでキラキラとした瞳を私は今も忘れることが出来ません。あの美少女はいったい何者だったのでしょう。他にも不思議な体験を何度かしましたが、1番印象に残った出来事でした。