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不思議体験

しんがさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

深夜の経路検索
短編 2023/09/04 16:57 3,429view
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仕事が今より更に忙しく、毎日終電で帰宅してた時の話です。

その頃は、駅に着いても終バスは既に無く、駅から自宅までの3kmの道のりを疲れてても歩いて帰っていました。

道のりの途中には墓地もあり、深夜1時近くにその前を通るのは、40手前になっても結構怖いものです。
しかもなぜか毎回通る度、スマホの電源が落ちる。
電車の中でスマホ見すぎて電池切間近という場合もありましたが、残量19%からいきなり落ちる事もあって、怖いな〜と思いつつも電源を入れ直すのでした。

終バスを逃した別の日、墓地を通らない別ルートを通ろうと、マップアプリのナビの設定に気を取られながら歩いていた時の事です。

目の前の暗がりに、静かにおばあさんが立っていて、心臓が飛び出そうになりました。
ただ、霊的なものではなく、深夜にゴミ捨てに来ていたおばあさんでした。
(めちゃくちゃ叫びそうになった)

心臓を落ち着かせて、墓地の大分手前で曲がるルートを改めて設定し直しました。

薄暗い街灯が立ち並ぶ、ちょっと古い住宅街を
経路案内に従ってしばらく歩いていたところ、イヤホンから音声案内が流れました。

「この先、右方向です」

少し先に目をやると、家と家の間にぽっかりと暗がりがありました。

舗装された道からやたら古びた砂利の道。
砂利道の両脇には木々が並び、鬱蒼とした雰囲気。

「この先、右方向です」

方向的にこのままその道へ進むと墓地の横ではなくの中を突っ切るんじゃないだろうか…

「まもなく、右方向です」

古びた道の手前を歩きながら一瞬考えを巡らせ
、遠回りでもナビを無視して別のルートへ進む事にしました。

「右方向です…右方向です…」

ナビがやはりしつこい…

「右方向です」

暗がりの奥は真っ暗。
道に呼ばれている気がして、気味が悪い。

「戻って、右方向です」

小走りで通り過ぎて数メートル、経路がようやく再検索され始めた。

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