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心霊

でじポットさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ひいおばぁちゃん
短編 2023/02/21 09:28 611view

私のひいおばぁちゃんは、私が中学2年の時に亡くなりました。
生前はよく遊んでもらったり面倒を見てもらっていました。
ひいおばぁちゃんは、夜に玄関の電気を消そうとして段差から落ちた時に腰を負傷してしまい、それからは家でずっと娘であるおばぁちゃんが介護をしていました。
その頃、私の歳の離れた妹がまだ2~3歳でよくひいおばぁちゃんのいる和室に遊びに行ってはイタズラをして母親に注意されていました。でも、ひいおばぁちゃんは妹を怒ることはせず、近くに来てくれることが嬉しかったんだろうなと思います。

ひいおばぁちゃんが亡くなって1~2年が経った頃、ちょっと不思議なことがありました。

私のあとをよく付いてきた妹がトイレにまで付いてきて、2人で狭い個室に入りつつも妹がきゃっきゃと面白がってたのですが「ほら、もう行くよ~」と私は鍵を開けようとしていた時でした。

「ゆうちゃん~」

と、ドアの向こうから妹を呼ぶ声がしたのです。おばぁちゃんの声に聞こえました。

「はーい!」と妹が私の前で元気よく手をあげて返事をしています。おばぁちゃんが来たのかな?と思ってドアを開けると、誰も見当たりません。
あれ?と思いつつも、妹と台所に戻るとご飯の支度をしていた母親とおばぁちゃんがいました。

「さっきトイレの方に来た?」とおばぁちゃんに声をかけると、「?おら行ってねぇどー?ご飯作ってたんだから。」とまさかの返事が返ってきたのです。
私は内心少し怖くなり、さっきの妹とトイレで体験した話をしてみると、おばぁちゃんは特に動じずにこう言いました。
「ひいばぁちゃんかな?ひいばぁちゃんがゆうちゃんに会いに来たんじゃねぇかな?」

その言葉を聞いて、あぁそうかと…ひいおばぁちゃんかと。
私はなんだか妙に納得してしまい、さっきまで不気味だったのに急にほっこりした気持ちになったのでした。

何年も経った今、私だけなら気のせいかもとなっていたけど、妹が手をあげて元気に返事をしていた姿が未だに鮮明に思い出されます。私はその時のことを思い出すと今でも心が暖かくなります。

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