また始まった
投稿者:ボーボー鳥 (1)
短編
2023/02/15
06:20
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2年前に亡くなった父がまだ生きているかのように言う母。もうじいちゃんは亡くなったよと言うと「えっ?昨日までそこに居たでしょう。話をしたよ」という母。
「2年前にもうなくなっているよ」と言っても絶対に信じない。「電話をしてみようか、おじいさんと話がしたい」と泣き叫ぶ母。「今どこにいるの?」「もう墓に納骨してるよ」「私に何も言わずに納骨して」と怒る母。
葬儀も納骨もすべて参加しているのに忘れてしまって、かわいそうな母。忘れるのなら全て忘れてくれたらどんなに楽か。特に夜になるとその傾向が顕著となる。
夜になるのが怖い。昼間はデイサービスに行ったり、デイサービスがない日は新聞の天風録を写したり、塗り絵をしたり気がまぎれることがあるが、夜になるとなぜか認知症が進む。暗くなってくると頭がおかしくなる。
あまりかかわらない方がいいかとあまりその話に触れようとしないと機嫌が悪くなり私を追いかけてくる。”助けて”という気持ちになる。今は母親と夫と3人暮らしなので、私だけしか対応するものがいない。
私ももう堪えてほしいと思うのは親不孝なのでしょうか。夕方になると「今日もまたじいちゃんは死んだ?」が始まると思うと夜になるのがとても怖い。
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