ソロキャンプで体験した不思議な出来事
投稿者:迦陵頻伽 (2)
これは、私がソロキャンプをしていた頃に体験した不思議な出来事です。
私がまだ二十代の頃、ソロキャンプにハマっていた時期がありました。
毎回、ネットで行き先を決めてはレンタカーを借り……ということをその月に頑張った自分へのご褒美としてだいたい月末くらいに行っておりました。
私が不思議な出来事に遭遇したその日も、事前に口コミなどのレビューを参考にソロでも安心して利用できるキャンプサイトを選んで現地へ向かいました。
キャンプはだいたい春から夏頃の過ごしやすい時期にする人が多く、秋も深まってきた時期には利用者数も減ってゆきます。
なので私が現地に到着した時には他の利用者は何組かいたのですがピークの時よりは少なく、のんびりすることができたのです。
テントを張り、簡易コンロでいわゆるキャンプ飯を作り、食後はのんびりと焚き火の前で読書をして過ごしました。
そのキャンプサイトは住んでいる場所から結構な距離があったので運転疲れで私はそのままうとうととうたた寝をはじめてしまいました。
「…………あ、やばい。火」
時間にして十分もなかったかと思います。
私は火の始末を思い出して目を覚ましました。
「…………あれ?」
するとうたた寝をする前には私がいる場所以外でも焚き火の火がともされていたのに周囲が真っ暗になっていたのです。
手元の時計を見ると時刻はまだ夜七時を回った頃。
それなのに焚き火の明かりはおろか、点々と見えるテントの周辺には人の気配すら感じられなかったのです。
「……………………」
その異様な空気に私はこわくなり、急いで火の始末を終えるとLEDランタンをつけっぱなしにして夜通し起きていました。
そうして迎えた朝。
私はおそるおそるテントから出るとそこには来た時と同じように他の利用者が各々キャンプを楽しんでいました。
私が見たあの光景は一体なんだったのか。
それ以来、ソロキャンプをすることはやめてしまったので確かめる術はありませんが、もしかすると異世界や死後の世界の類いではないかと考えております。
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