恐怖の池

これは私が中学生だった時のことである。

私の中学校の近所に、心霊スポットが好きな人なら1度は聞いたことがある有名な大きな池がある。

県外からも物好きな人が何人も訪れていたことは、子供の時から知っていた。

ちょうど地元の夏祭りが終わった後、中学生の友達数人で、その心霊スポットの池に遊びに行こうという話になった。

みんな、その池が有名な心霊スポットであることは知っていたが、どことなく怖くて誰も実際に行ったことはなかった。

時間帯にして大体22時ぐらいだったと覚えている。中学生の男友達4人でその池に自転車で向かった。

田舎道ということもあり、街灯も全くなく、頼りが自転車のライトのみだった。その時の担任に聞いた話だが、その池には首無し地蔵がいくつもあるという噂があった。

だがしかし、それは噂レベルであり、実際に見たことがあるものは周りにはいなかった。私達がその池に着き、自転車で周辺を走っていたが、結局その地蔵を見つけることはできなかった。

「結局なかったな」そう言って私たちが帰ろうと自転車を漕ぎ出したその時、暗くてよく見えなかったが、右側の小さいスペースに、首なし地蔵が確かに並んであったのを見つけた。

見つけた時の嬉しさと本当にあるのかという恐怖がいっぺんに私たちを襲ってきた。なんとなく周りの空気が冷たくなったような気がして、みんな急いで池から帰ろうと言い出した。

誰も示し合わせていないが、そうしようという雰囲気になり私たちは勢いよく自転車を漕いだその時、全員の自転車のライトが急に割れたのである。

そこにいた全員がパニックになり、真っ暗な中も地元ということもあり、手探りで自転車を漕いですぐ家へ帰った。

次の日学校で話し合ったが、やはりみんな確認しており、あれは寝ぼけていたわけではないということが分かった。

とても恐ろしい出来事でした。