眼前5cmの恐怖

私が高校生の頃の話です。
当時、築20年ほどの団地の4階に引っ越したばかりでした。
夜、北側にある8畳の和室で寝ていると、突然金縛りに…。
目も開けられない中、耳に聞こえてきてきたのは「うるさい…うるさい…」という女の子の声。
しかもどんどん近づいてくるのです…！
逃げたくても身体は全く動きません。どんなに力を込めても金縛りが解けないのです。
それでもどうにか、必死の思いで薄目を開けました。目の前にあったのは…

着物を着たおかっぱの女の子の顔!!

「うわぁぁぁ!!」

反射的に目を閉じ、叫び声を上げると、金縛りは解けました。
起きてみると、まだ夜中。隣には弟がいつも通り寝ています。
私は冷や汗びっしょり。心臓もバクバク。
そのまま明け方まで寝付けなかったのは、言うまでもありません…。

その後も何度か金縛りにあいましたが、音が聞こえたり、誰かが現れたのはこの一回きり。
同じ部屋で寝ていた弟は、金縛りにあったことも、何かを見たことも聞いたこともないそうです。
他の部屋で寝ている両親も、金縛りにあったことはないと言います。
なんで私だけ…?
そもそも、あの女の子は誰だったんでしょうか…。昔、この家でなにかあったのでしょうか…？