訃報を伝える野良猫
投稿者:mina (8)
短編
2022/06/25
17:24
802view
小学生の時の話です。
両親は共働きで私は鍵っ子の一人っ子でした。
いつものように一人で自宅でお留守番をしていたのです。
お留守番の時は、決まって漫画を読んでいたのですが、トイレのある廊下の窓の外は、人が一人どうにか通れる通路で、部屋と廊下は障子があり外は見えない状態でしたが、その窓の方から会話が聞こえてきたのです。
ご近所の家族ぐるみでお付き合いしているお宅のおじいさんが亡くなったという会話でした。
障子を挟んで、トイレのある廊下の窓から聞こえるその話が気になり、障子を少し開けてこっそり覗いてみたんです。
人一人がどうにか通れる通路で、普段は家のものしか通らない通路なので、人の会話が聞こえたのが不思議だったからです。
障子を開けてびっくり。そこには、2匹の猫がいただけだったんです。野良猫2匹が、にゃあにゃあ泣いていただけだったんです。
窓の方に駆け寄り、声の主を探したのですが、そこには、人の気配はありませんでした。
そしたら、自宅の黒電話が鳴ったんです。母親からでした。
家族ぐるみでお付き合いしている家のおじいさんが亡くなって、
今晩、お通夜だという連絡でした。虫の知らせ何ですかね。
怖いというより、不思議な体験でした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 7票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。