学校の七不思議「開かずの間」
投稿者:中目黒 (5)
僕が高校生の頃、学校の七不思議のひとつに「開かずの間」というのがありました。それは、三階にある空き教室の一つでした。そこは普段は鍵がかけられていて誰も入れないのですが、夜中にその部屋に入ると必ず神隠しに遭う……というものです。当時僕はオカルト好きでしたので、「開かずの間」には興味津々でした。しかしさすがに夜の学校に侵入する勇気はなく、いつも外から眺めるだけで終わっていました。そんな時、友達からあることを提案されました。
「なあ、お前『開かずの間』に行きたいんだろ? だったら今夜、俺と一緒について来いよ。大丈夫だって! こっそり忍び込んで中を覗くだけだし!」
友達は悪戯っぽく笑いながら言いました。確かに、夜に学校に忍び込むなんてちょっとスリルがあって面白そうだと思い、僕は彼の誘いに乗りました。
そしてその夜、友達と二人で例の空き教室の前へやってきました。時刻はすでに午後11時過ぎでしたが、廊下は非常灯がついているため真っ暗ではありませんでした。僕らはドキドキしながらドアノブに手をかけ、そっと扉を開きました。……すると。そこには――。
窓際に佇む白いワンピース姿の少女の姿があったんです。
彼女はこちらを振り向き、ニタリと不気味な笑みを浮かべるとそのままスーッと消えてしまいました。一瞬の出来事でしたが、あれは明らかに人間ではなかったと思います。おそらく幽霊か何かでしょう。今も彼女の正体が何だったのかはわかっていません。それに今のところ僕とその友達は神隠しにあってはいません。今のところは……。
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