午後の不思議なお知らせ
投稿者:ねびた (13)
これはわたしが小学校の頃の話です。
昔からよく虫の知らせという言葉を聞きますが、まさにそうだと思える出来事に遭遇しました。
その日は天気のいい午後で、さわやかに晴れた日のことでした。夏が来る前で学校が終わってからすぐ家へ戻り居間でテレビに夢中になっていました。
その頃のわたしはテレビを見るのがなにより好きな子供で、心霊現象を取り扱った番組などを意味もよく理解していないながらも見ていました。
わたしは玄関の隣にある居間にいて、母は台所で夕飯の支度をしていたと思います。
当時の玄関は、すりガラスがはめこんだ半透明タイプで風除室が取り付けておらず、周囲はひらけているので隠れる場所はなく誰かが来たらすぐわかるようになっています。
玄関は台所と居間の真ん中に挟まるように位置し、そこからの距離はそんなに遠くありませんでした。
何の変哲もない一日だと思っていたのに、今でも思い返すたびに不思議に思う出来事が起こったのです。
テレビや台所から聞こえる生活音以外は何も聞こえない、ある意味静かな凪のような時間でした。
しかし、急に玄関の方から何人もの人が強い力で玄関の戸を叩きつけるような物音が聞こえてきました。
結構うるさい物音だったと思います。何せ急にそんな騒音がしてきたものですからびっくりしたのと同時に不安にもなりました。
緊急事態かと思ったのか、田舎だったこともあって慌てて母が玄関の戸を開けると、そこには誰もいませんでした。
そして戸を開けると同時にそのけたたましいドアを叩く音は急にピタッと収まったのです。玄関の外は誰一人いない晴れた天気で風ひとつありませんでした。
何が起こったのかもわからず母もわたしもぽかんとしていました。
誰かのいたずらかと思いましたが、開けた戸を閉めたその時、今度は急に電話が鳴り響きました。
母が応対すると一度、驚嘆する声をあげました。話を終えた母がいうには、身内の知り合いが今、亡くなったという知らせだということでした。
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