三宅島の宿にて
投稿者:kohsei (2)
短編
2022/04/16
12:31
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まだ独身の頃の話
当時 趣味にしていたスキューバダイビングと、ドルフィンスイムをしに 竹芝から船に揺られて
伊豆諸島は三宅島に行きました
昼間は 美しい海を堪能し、海で出会った仲間と楽しく過ごして
旅館に向かいます
僕は ひとり旅なので、宿の部屋もひとり。旅館の角の部屋を案内されました。
ガラスの引き戸に押入れ 廊下の壁に外の窓。秋だったので、窓を閉めて 布団の上で文庫本を読んでましたが、疲れを感じて早めに就寝しました。
静かな夜
ふいに チュッと
唇を合わせる感触と、ほのかな人の香
「 えっ? 」
驚いて 目が覚めました
かすかに聞こえた 悪戯っぽい笑い声
妙に生々しい唇の感触
混乱しながら 笑ってしまいました
一応 閉めた窓は開いていないか、ガラスの引き戸の簡易な鍵は閉まっているか 確認しました。
引き戸も窓も 戸車が古く、開け閉めするとうるさいので 誰かが来たら判るという状況、生身の人間の悪戯では なさそうな。
なんとも不思議な体験でした
勝手な解釈ですが、悪意は感じられなかったので しばらくニヤニヤしてました。
当時は フラれ続きでいよいよ妄想が幻覚を見せたのか、しかし 見えないで感触だけなので
いやはや 妙な記憶です
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