強い視線を感じる夜の仏間
投稿者:カヨ (7)
短編
2022/04/02
07:48
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これは私がまだ小学生だった頃の話です。
夏休み、私はよく1人で親戚の家に遊びに行きました。
夜花火をしたあと、いとこたちと一緒に居間で
雑魚寝をするのが楽しみだったのです。
ただその日はなぜか、居間ではなく仏壇のある部屋に
川の字に布団を並べて眠る事になったのです。
人より少しだけ霊感のある私は、少し心配でしたが
いとこ達もいるし…と自分に言い聞かせて眠りにつきました。
しばらくすると、隣から寝息が聞こえ始め
自分だけ眠れないことに焦りを感じながら、ギュッと目を閉じていました。
ただ、しっかりと目は閉じているはずなのに
寝息の聞こえた方から、なぜか強い視線を感じます。
しばらくは気づかないフリをしていましたが
強い視線がや止むことはありませんでした。
嫌な予感を感じつつ、うっすらと目を開けて見てみると
眠っているはずのいとこが布団から起き上がり
目を見開いてこちらを凝視しています。
その何かに取り憑かれたような恐ろしい形相に、
私は怖くて声も掛けられず、布団に潜って寝たフリをしました。
翌朝のいとこはいつもと変わらず普通で、
昨日の夜はなぜ、私を見ていたのかと聞いてみましたが
なんのこと?
と、全く覚えていない様子でした。
ただあの時見た、いとこのあまりにも恐ろしい形相が
どうしても忘れられず…
それからは親戚の家に泊まりに行くことは無くなりました。
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