花魁淵で聞いた女性の悲鳴
投稿者:テラー (26)
短編
2022/03/23
15:22
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大学生の頃、心霊スポットとして有名な山梨県の花魁淵に友人たちと肝試しにいきました。
ここは戦国時代に労働者の相手をしていた遊女たちが金山の秘密を守る為に滝壺に捨てられた曰く付きの場所であり、供養塔も建っています。
今は立入禁止になっていますが、当時は容易に近づくことができました。
時刻は夜8時頃、周囲には常夜灯や人家もなく真っ暗な闇が立ち込めており不気味な雰囲気です。
花魁淵の周辺をドライブしている最中突然頭痛を感じました。ハンドルに突っ伏して暫く呻いていると、風を入れる為に開けた窓の外からか細い女性の悲鳴が響いてきます。
「で、でた!」
咄嗟にアクセルを踏んで逃げ出そうとしたものの、背中が急に重くなり力を吸われていきます。しかもどこからか甘い白粉の匂いが漂って来て、気も狂いそうな恐怖を感じました。
その後どうにか逃走に成功したものの、ぐずぐずしていたらどうなっていたかわかりません。
あれは花魁淵に捨てられた遊女の祟りだったのでしょうか?
興味本位で肝試しになんか行くんじゃなかったと反省しました。
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