代々受け継がれる怖い話
投稿者:vam (4)
私が在学していた全寮制の高校は、先輩から代々受け継がれる寮の怖い話があった。
「寮で夜中に幽霊が出る」と。そこで私は仲の良い友達5人と、消灯後の寮で肝だめしをすることにした。その寮は4階建てなのだが普段は一切使われておらず、
1年生が入学してきて3か月ほどだけ、4階の一部の部屋だけ使われるという曰く付きだった。明らかに先生たちも何か知っていると、生徒たちの間では噂になっていた。
そんな寮で肝試しするなんて、今考えればやめておけばよかったと思う。
肝試しを始めてすぐに明らかに涼しく、なんとなく空気が重いような気がした。でも今までそんなこと気になるタイプではなかったから、そのまま進むことにした。
4階から3階、3階から2階、と降りていき、2階から1階に降りたときその異変が起こった。外からの入り口のない廊下の突き当りの部屋の方から、
ゆっくり引き戸のドアが開く音がした。その瞬間みんなの動きが、5秒ほど止まっていたと思う。一人が「さすがにやばくね」といい、満場一致で引き返すことにした。
反対方向に進み出したとき、ヒールの音が聞こえてきて、一斉にみんな走り出した。2階の出口まで走り抜け、みんなで「やばいやばい」そう言いあっていたら、
5人で入ったはずなのに4人しかいないことに気づいた。私ともう一人で来た道を戻り、2階から1階に降りる階段でうずくまっている友達を見つけた。
その場所は階段の折り返しの広いところで大きな鏡がある。
その鏡には2階の洗面台の鏡が映り込でいるのだが、そこに一瞬赤い服を着た女が写り込んだのを見た。
全速力で逃げた。
寮の怖い話などただの噂かと思っていたが本物もあるようだ。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。